お知らせ内容
7月20日 メッセージより
2025年7月20日メッセージ「ほんとうに大切なこと」より
牛田匡牧師
聖書 ヨハネの手紙Ⅱ 5 - 6節
今回の聖書は「ヨハネの手紙Ⅱ」という短い文書で、様々な教会へと回覧された手紙として、「教会に連なっている皆さんへ」宛てて書かれている文書です。「あなたにお願いしたいことがあります」という手紙の定型表現で述べられているのは、「私が新しく思いついたことではなく、私たちが初めから持っていた戒め、つまり、互いに愛し合う、愛し合おうということ」(5)です。6節にも同じ内容が繰り返されていますが、いずれにしても「互いに大切にし合う」ということが述べられていることには変わりはありません。イエス・キリストが身をもって示された神(御父)の戒めとは、人と人とがお互いに愛し合う、大切にし合うということであり、それは実際に実践可能だということです。だからこそ「互いに大切にし合ってください」、「やってみてください」と奨められています。すぐにはできそうになくても、諦めないでやってみることで、意外とできるかもしれない。それこそ小さな一歩であれば、何とかできるかもしれない。そうやって、目には見えなくても、神様が一緒にいて励まし力づけてくれていることに信頼して、やってみること。その時、きっとそこに神様が共におられることが感じられるのではないかと思います。
世界を創られた神は、「人が独りでいるのはよくない」と言い、隣人を創られ(創世記1:18)、そこから人間は、他者と共に社会を形成して暮らすようになったと創造神話は伝えています。だからこそ、私たちは分断と排除・排斥ではなく、向かい合い、助け合っていくことが求められているのだと思います。現代社会は、人と人とのつながり、関係性がバラバラに分断されていますから、「面倒なことにはかかわらない」ということが容易にできるようになりました。そして「誰にも迷惑をかけずに暮らせている」と感じておられる方も多いのではないかと思います。しかし、「誰にも迷惑をかけないこと」が望ましいのではなく、むしろ困った時はお互い様で、持ちつ持たれつの関係性の方が健全なのではないでしょうか。誰かを傷つけ排斥する社会は、いずれ自分も排斥され、誰もが生きていくことができなくなっていく社会です。本当に大切なことは、全ての命が大切にされ合うことを通して、活かされ合っていくことでしょう。「本当に大切なこと」として、お互いに大切にし合うこと、平和をつくる道へと、私たちは今日も神様によって背中を押され、歩みを進めてまいります。