お知らせ内容
7月27日 メッセージより
2025年7月27日 メッセージ「人間に神ともにいます」より
牛田匡牧師
聖書 マタイによる福音書 15章 15-20節
「イエス様いるって本当かな? 今でも『いる』って言うけれど。見たことないけれど」と子どもたちから質問されたら、何と答えることができるでしょうか。賛美歌「イエスさまいるってほんとかな」は、そんな問いを正面から取り上げた歌です。この歌の基になったのは、「マタイによる福音書」の巻末にあるイエス様の言葉「私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(28:20)だそうですが、イエス様は「私はいつも『あなた』と共にいる」ではなく、「『あなたがた』と共にいる」と言われました。人が独りでいる所にではなく、2人3人以上の人が集まっている所に、神様も共におられるということです。
目には見えない神様の不思議な力、働きというものを、私たちはいつどこで体験することが多いかというと、やはりそれは一人でいる時よりも、人と人との交わりの中で実感することの方が多いのではないでしょうか。一人と一人の力は小さくても、2人3人と集まって一緒に何かを行う中で、1+1が2以上、3以上の働きをすることがあります。例えば、一緒に話すうちに、予想外に深く話をすることができて、不思議と心が穏やかになって、慰められたり、励まされたりしたというような経験は、多かれ少なかれ、あるのではないでしょうか。そのような時、「運が良かった」「偶然だった」と言うことも勿論できますし、また「恵まれた」「神様が共にいて下さった」と言うこともできるのだろうと思います。
「人間」と書いて、「にんげん」と読むのではなく、「じんかん」と読むと、広くは「世間」「世の中」の意味になるようですが、そのまま字の如く「人と人との間」という意味で理解することも許されるのではないかと思います。「水平社宣言」の末文の言葉は、「人の世に熱あれ、人間に光あれ」でした。「水平社宣言」が目指している差別され虐げられていた人たちが尊厳を回復し解放されていく世界、そこには紛れもなく、神もまた人々の間にあって共に働いておられるのだと思います。人と人との間、「人間」に今日も神が共にいます。そのことに信頼して、私たちもここから歩み出して参ります。そしてまた私たちが出会う方々との間で、神が共におられることを、示し、証していくことができるように、それぞれに小さな器として用いられていきます。