お知らせ

お知らせ内容

12月13日 メッセージより

2020/12/14(月)
2020年12月13日メッセージ「奇跡の子」より

牛田匡牧師
聖書 マタイによる福音書 1章18-23節

 今回の聖書は、イエス様の誕生が天使によって告げられたお話でした。「母マリアはヨセフと婚約していたが、一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが分かった」とありますが、マリアは次第に大きくなってくるお腹を抱えて、困惑していたでしょう。婚約者のヨセフも、マリアのお腹の子が、自分の子ではないことを知り、苦悩しました。周囲の人々は、非合法の婚外妊娠に対して、冷たい視線を投げかけたことでしょう。しかし、そんな不安や恐怖の中にあった二人に対して、天使はその妊娠は「聖霊の働きによるもの」だと告げました。「聖霊によって身ごもった」という表現は、なかなか妊娠しなかった不妊の女性が、ようやく妊娠した時の感謝の思いを表わした言葉です。日本にも「子どもは天からの授かりもの」という言葉がある通り、人間的に困難な状況の中でも、神様のお恵みによって新しい命を宿したという信仰的な表現でした。
 さらにこのマリアの妊娠・出産は、預言者イザヤの言葉「見よ、おとめ(若い女性)が身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる」の成就であるとも告げられました。「インマヌエル」とは、「神は私たちと共におられる」という意味です。この言葉は、今も昔も多くの人々が考えている、「自分たちが今、病気や穢れ、不幸の中にいるのは、悪いことをした罰なんだ」という考えを否定しています。「神様から見放されて苦しい」のではなく、小さくされ苦しめられている人々と共に神様がおられる、と天使は告げました。その意味で、イエス様は本当に「奇跡の子」でした。
 日本でも100年前までは乳幼児死亡率が高く、「七つまでは神のうち」と言って「七五三」を迎えられることを、神様に感謝して来ました。今では周産期医療も発達して、かつては授からなかった命、助からなかった命も無事に生まれるようになりました。そのような経験を経た人たちにとっては、「奇跡の子」「神様によって授けられ、助けられた命」という言葉が、実感を持つのではないでしょうか。多くの命が失われた戦禍を奇跡的に生き延びた人がいます。また様々な差別と偏見の中を、押しつぶされそうになりながらも、仲間に助けられながら何とか生き延びた人がいます。その人たちも紛れもなく「奇跡の子」です。そして今を生きている私たちもまた、このコロナ禍、様々な困難の中を生かされて生きている「奇跡の子」ではないでしょうか。全ての人が「神様の子ども」であり、また神様によって生かされている「奇跡の子」です。クリスマスに、世界のどん底に生まれた救い主、暗闇の中に生まれた光、イエス・キリスト。私たちはそのイエス・キリストの命を与えられて、神様と共に今日も導かれて歩んで行きます。

〒581-0072 大阪府八尾市久宝寺6丁目7-10

TEL:072-992-2131 FAX:072-992-2135

【郵便振替】00980-5-212130「日本基督教団久宝教会」

〒581-0072 大阪府八尾市久宝寺6丁目7-10

TEL:072-992-2131 FAX:072-992-2135