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3月22日メッセージより

2020/03/23(月)

2020322日メッセージ「時を見きわめる」より

牛田匡牧師

聖書 ヨハネによる福音書 1218

 「ベタニアで香油を注がれる」という今回のお話は、4つの福音書全てに記されており、少しずつ登場する人が違っていますが、①女性がイエス様に香油を注いだ事、②食事の席での出来事だった事、③男性が女性を非難した事、④イエス様が女性の行為を支持した事は全てに共通しており、恐らく歴史的に起こった出来事でした。

 ベタニア村はエルサレムに近く、イエス様はそこに住むマルタとマリアとラザロの兄弟と親しくされ、これまでにも何度も訪ねていた家でした。しかし、非常に高価なナルドの香油、大切にしていた宝物の香油を、なぜマリアはこの日この時にイエス様に注いだのでしょうか。それは恐らく「自分の大切な人、大好きなイエス様と、もう二度と会えなくなるかもしれない」と彼女が強く感じたからでしょう。

 しかし、イスカリオテのユダはそんな彼女の行為を非難しました。「なぜ、この香油を売って、貧しい人々に施さなかったのか」。本当に何百万円もの価値があるなら、現金化して貧しい人々に施した方が、イエス様一人に対して消費してしまうよりも有意義であると考えるのは、至極当然だと思われます。しかし、イエス様はこの非難を斥けて、マリアの行為を支持しました。それは「今自分が置かれている所で、その時を見きわめて、目の前にいる人、隣の人に対して、自分ができる最善をしなさい」という事なのではないでしょうか。

 「時を見きわめる」……。それはなかなか難しいことです。新型コロナウイルスで何千何万人もの方々が亡くなっていますが、その方々が自分の親兄弟、友人など身内だったらどうでしょうか。「まさかあれが今生の別れになるとは思わなかった」という方が、多いのではないかと思います。また宝物を大事にしまっておき過ぎて、いざという時に使えなくなっている……。そんな事もあるかもしれません。今、世界は新型コロナウイルスという新しい困難に見舞われて、まさに受難の道を歩んでいます。これから先の世界が、どのような状況になるのか分からない日々ですが、この困難は人々の知恵と協力によって、必ず乗り越えられると信じて、落ち着いて日々になすべきことをなせるようにと願います。時を見きわめる冷静な頭と、使うべき時には勇気をもって大胆に行動できる熱い心が、今週もまた日々に備えられるように、神様に祈り求めていきましょう。

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