お知らせ内容
5月1日 メッセージより
2022/05/02(月)
2022年5月1日メッセージ「あなたは命を選びなさい」より
牛田匡牧師
聖書 ヨハネによる福音書 10章 7-18節
「目の前にある命と死。あなたは命を選びなさい」と言われると、そんなの「言われるまでもない」と思われるかもしれません。しかし、世界では今も戦乱が続き、
人が人の命を奪っています。また地球の資源を採り尽くす環境破壊や、人間を単なる労働力としか見なさず、相手を利用し尽くし搾取する資本主義経済社会があります。それらは一見、聞こえの良い「経済発展」という言葉とは裏腹に、本当は命に至る道ではなく、死に至る道なのではないでしょうか。
イエス様は「私は羊の門である」(ヨハネ10:7)とも言われました。貴重な財産でもある羊たちの周りには、強盗や獣から羊たちを守るための囲いがありました。そして羊たちは門を通って囲いの外へと出ていき、牧草を食べて生きていました。ですから「羊の門」とは、そのまま羊たちの命を守り、牧草によって命を食いつなぐための「命の門」でした。さらにそれは日々羊たちが体をこすりつけて出入りするために、泥がついたり、毛がひっかかったりして、常に汚れているような、決して美しいとは言えないような小さな粗末な門でした。
さて、私たちはどこに「命に通じる門」を見出しているでしょうか。聖書には「狭い門から入りなさい。滅びに至る門は大きく、その道も広い。そして、そこから入る者は多い。命に通じる門は狭く、その道も細い。そして、それを見出す者は少ない」(マタイ7:13-14)という言葉もあります。一見すると貧しく、不便で、面倒に見えることの中に、実は真実の命につながるものがあるのではないか。経済的には豊かになり、便利になっているはずの生活の中で、生きているのに死んでいたり、また死んでいるかのように、日々疲れ切って生きていたりする人が、たくさんいるのではないでしょうか。
イエス様は「私が来たのは、みなが命を得るため、しかも豊かに得るためである」(10)とも言われています。イエス様が皆の「罪の贖(あがな)い」となったというのは、私たちが死に向かう道から、命に向かう道へと買い戻された、引き戻されたということです。「あなたは命を選びなさい」とは、言い換えれば「あなたは私と共に命に向かう道を歩むことが出来る」ということです。「良い羊飼い」(11, 14)であるイエス様が一匹一匹の羊のために命を懸けて、身を投げ出し、そして復活されたように、私たちもイエス様の後に従い、日々にこの命を使うことを通して、永遠の命、真実の命を生きるように、変えられていきたいと願っています。