お知らせ内容
12月4日 メッセージより
2022年12月4日 第2アドベント礼拝メッセージ「パスポートはあなたの手の中に」より
牛田匡牧師
聖書 ルカによる福音書 4章14-22節
イエス様は故郷ナザレの村の会堂で聖書に記されていた預言の言葉「捕らわれている人は解放され、目の見えない人の視力は回復し、打ちひしがれ、押しつぶされている人は自由にされ、解放される」を朗読した後、続けて「これらの預言の言葉は、もう既に実現しています。そのことをあなた方は今日、聞きましたね」と言われました。当時のユダヤの人々は、ローマ帝国への納税、ガリラヤの領主への納税、ユダヤ教の神殿への納税など、重い重税に苦しめられていました。借金のかたに先祖伝来の土地を奪われ、小作農にされた人たちも少なくありませんでした。そのような中にあって、イエス様は「神の国はもう来ている。たとえエルサレムの神殿で犠牲をささげられなくても、罪の赦しも救いも、もう既に与えられている」と宣言されました。そのような宣言は、まさに貧しい人々にとって、彼らを押しつぶし、捕えていたものから、解放することであり、自由にすること、そのための自覚、気づきを促すものであったのではないかと思います。
さて私たちは今、何に捕らわれ、打ちひしがれているでしょうか。私たちが生き生きと生きられていないとすれば、それは何故でしょうか。この社会全体が、何ものかによって常に追い立てられ、追い詰められている……。そのように私たちの命を追い立て、追い詰め、生き生きと生きられなくさせているもの、それらのことを「悪」「闇」「罪」と呼べるのではないかと思います。戦争、病い、経済破綻など、世界に闇が広がり、深まっていくように感じる中で、「真実の救いがここにある」「修行や献金をすれば救われる、天国に行ける」というカルトの喧伝はますます大きくなっているように思います。しかし、天の国、命の道へ行くためのパスポートは、何をしたから与えられて、何をしなかったら与えられないというものではないはずです。パスポートは、もう既に私たち一人一人の手の中にあります。神様によって命が与えられた時から、一人一人の手に渡されています。暗闇の中に輝く光も、一人一人の命の中に備えられています。クリスマスの夜、イエス様が最も小さな赤ちゃんとして、暗闇の中に生まれて下さったことを思い、私たちも自分の中の命の灯を隠してしまわないで、外に輝き出して行きましょう。私たちにはそうすることが出来る、許されている、そして求められているのだと思います。