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2月12日 メッセージより

2023/02/12(日)

2023年2月12日 降誕節第8主日礼拝

メッセージ「その腕で抱きとめるものは何か」                                牛田匡牧師

聖書 ルカによる福音書 5章1216

 今回のお話は、「規定の病」を患っている人がイエス様と出会い、イエス様によってその「規定の病」が清められたお話でした。イエス様はその人に「手を差し伸べて、触れ」と書かれていますが、元のギリシャ語の言葉は「抱きつく、ハグする、しがみつく」という言葉ですから、軽くタッチして触ったのではなく、その人の体全体に腕を回してギュッと抱きしめたというのが、正しい表現でしょう。挨拶の場面でハグすることは世界的にも珍しいことではありませんが、この人は「規定の病」を患っていましたので、そのような状態の人とハグするのは、当時の律法においては「非常識」であり、「律法違反」でした。しかし、そこに奇跡は起きました。「汚れている」と見なされ、社会の中で差別され、孤独の中に絶望していた人が、イエス様と出会い、思いがけず抱きしめてもらって「私はあなたを見捨てない。一緒に生きよう」と言われた。それは暗闇の中に光が射し、倒れていたのに引き起こされ、死んでいたのに生き返り、イエス様に従う者としての新しい命を生き始めるという大きな出来事であったに違いありません。

 イエス様はその腕で、相手の人を抱きとめました。私たちの腕は日々、何を抱きとめているでしょうか。仕事や家族、責任や立場、肩書やお金など、様々なものが私たちの腕の中や、肩の上には載っているような気がします。そしてそれらは「決して手放さないように」と言われているように感じていますが、本当にそうなのでしょうか。何かを掴み、抱きとめるためには、今握り込み、抱え込んでいるものを一旦手放す必要があります。イエス様も弟子たちも、何も持っていなかった貧しい人たちでした。だからこそ、いつでも目の前の人を抱きとめることができた。目の前の人の困っている様子に、目が行き、心が動くことができたのではないでしょうか。

 私たちがその腕で抱きとめているものは、一体何でしょうか。またこれから抱きとめようとするものは、何でしょうか。世界では今なお戦禍が止まず、さらにトルコ南部では大震災が起こり、多くの被害が出ています。しっかりと腕に抱きとめるべき、本当に大切なものと、そうではないものとを区別できるように、イエス様と共にあって、私たちも目と心を開かれたいと願います。そしてこの手の中に握りしめているものも開かれて、本当に大切なものを抱きとめる歩みへと導かれていきます。

 

 

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