お知らせ内容
5月21日 メッセージより
2023年5月21日メッセージ「神、共にあり。今も、かつても、いつまでも」より
牛田匡牧師
聖書 マタイによる福音書 28章 16-20節
今回の聖書のお話は、「マタイによる福音書」の最後に書かれているお話でした。十字架での死から復活させられたイエス様が弟子たちと、故郷のガリラヤで約束通りに再会されたお話です。そしてイエス様が弟子たちに告げられたのは、「私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(20)という言葉でした。日本語の「かみ」という言葉の語源は、「隠り身(かくりみ)」(『古事記』)だとすると、目には見えないけれども存在しているものという意味合いが強いかと思います。しかし、聖書が伝える命の神は、イエス・キリストという目に見える姿で、この地上を生き、歩まれ、そして死から復活させられて、今も全ての人と共に生きておられます。それは言い換えれば、私たち一人一人が普段から関わっている多くの人々の中に、それらの人々の生き様を通して、私たち一人一人に関わってくださっているということではないかと思います。
昨年2月から続いている、ロシアとウクライナの戦争を受けて、いよいよ核兵器が使用される危険性が高まっているという理由で、19日から21日までの3日間、広島でG7(主要7カ国首脳会議)が開催されています。核兵器にしても、原子力発電にしても、地球環境破壊問題にしても、公害問題にしてもそうですが、全ての命を「極めて良いもの」(創世記1:31)として創られた命の神の御心に反して、この地球の全ての命を何度も破壊し得る暴力が、現代のこの世界を席巻しています。しかし、そのような中にあっても、何ものも私たちを神の愛から引き離すことはできません(ローマ8:38-39)。だからこそ、神様がいつも共にいてくださることに信頼して、歩みを進めて行きたいと願います。八方ふさがりで、どうしようもないとしか思えないような時であっても、事実から目を背け事実を隠蔽して、自分に嘘をつくのではなく、事実に目を向けて、それでもやってみようと模索する人の友になりたい。やってみても出来ないかもしれないけれども、出来る所まででもやってみたいという人の隣に立って、共に挑戦したい。そこに、死では終わらない復活のイエス様、神と人と共に生きる生き方があるのだと思います。神、共にいます。今も、かつても、いつまでも。いつも一緒におられる神様に励まされ、導かれながら、私たちは今日もここから「正義と平和と喜び(=神の国)」(ローマ14:17)を造り出す道へと歩みを進めていきます。