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9月17日 メッセージより

2023/09/18(月)

2023年9月17日 メッセージ「あなたもキリストの一人」より

牛田匡牧師

聖書  ルカによる福音書 15章 11-32節

 相続した財産を無駄遣いをして身を持ち崩し、路頭に迷った挙句、食べるにも困った所で我に返り、一度は捨てたはずの故郷の父のもとに帰った放蕩息子が、謝罪の言葉を述べる前から、父親から赦され、歓迎されたというこのお話は、「放蕩息子のたとえ」として、有名なお話です。父親のもとを離れ、放蕩の限りを尽くす息子とは私たち人間のことであり、そんな駄目息子をも赦してくれる慈悲深い父親とは、神様のことだと理解されることが多かったのではないかと思います。しかし、この2000年前にイエス様から直接この話を聞いた人々は皆貧しく、無駄遣いが出来ないはもちろん、日々の暮らしにさえ事欠くような人々でした。その人たちが同様に聞いたとは考えられません。また当時のユダヤ律法では財産の生前贈与を求めることは、認められていませんでしたし、仮に先祖伝来の土地を相続することができたとしても、その土地を売ってお金にすることも禁じられていましたから、この話は不自然な点が幾つもあります。帰って来た弟を歓迎する父親の姿に腹を立て、父と口論する兄の姿や、そもそも全く登場しない母親の姿など、関係性の壊れた家族が登場するこの話を聞きながら、人々は何を感じたのでしょうか。

 この話から示されることは、私たち自身が時には「いなくなった息子」であり、また時にはその弟のことを赦すことができない兄であり、さらにはちっとも適切にふるまえない不甲斐ない父親でもある、ということではないかと思います。完璧な人、完璧な家族はいません。誰しもが、どこかしらに欠けている部分、足りない部分、弱さも持っています。そして今の時代は、ますます地域も家庭も壊れている部分がどんどん拡がっており、命が大切にされにくくなっているのではないかとも感じています。けれども同時に、それでも全ての人は神様につながった存在として、全ての人が「キリストの一部」「キリストの一人」として、今日も生かされています。918日は「敬老の日」。掛け替えのない命を連綿とつないで来てくださった数えきれない先人たちのおかげで、今があります。そのことを覚えながら、今週も出会わせて頂く一人一人に対して「あなたもキリストの一人」「掛け替えのない大切な命」と、声をかけることの出来る、そんな一週間を過ごせればと願っています。

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