お知らせ内容
10月22日 メッセージより
2023年10月22日 久宝教会 収穫感謝礼拝メッセージ「賜物を活かす」より
牛田匡牧師
聖書 ルカによる福音書 19章 11-27節
今年も収穫の季節を迎えました。私たちは食べること無しに生きていくことはできません。生き物がその命を維持していくために食べ物は不可欠ですから、「食べ物を作る農業は、隣人の命を生かす仕事である」とも言われます。私たちが日々に生きていて、食べる物が与えられているということは、それ自体が決して当たり前のことではなく神様を始めとして、実に多くの方々の働きによって支えて頂いている「有り難いこと」なのだと思います。秋の実りを感謝する時に、そのことを改めて心に留めたいと思います。
今回のお話は一読すると、お金持ちの主人が僕たちにお金を預け、それぞれの僕たちがそのお金を元手にして、さらにお金を儲けて褒められたというお話です。当時の庶民の暮らしは、とても貧しく、現在のようなお金を中心とした経済ではなく、いわゆる物々交換も多かったようです。そのような時代にまとまったお金を運用して更に大金を儲けるというのは、恐らく身分や権力を利用して、搾取するような方法、まさに「預けなかったものも取り立て、蒔かなかったものも刈り取る」(21)ような方法に他なりませんでした。ですから、イエス様がこのたとえ話を通して、財産も権力も何も持っていない弱く小さくされた人たちに伝えられたことは、さらに弱い人々からお金をむしり取って成果を出して、権力者から褒められなさいということではなく、「誰でも持っている人は、さらに与えられるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられる」(26)という不公平な世界、神の正義と公正が全く実現していないおかしな現実の中でも、ただ流されて黙って搾取され続けて行くのではなく、「おかしいものはおかしい」「不正は不正だ」と声をあげていくこと、権力者に対して臆せず、糾弾していくことだったのではないでしょうか。
その意味で、命の神から私たちが与えられている賜物を活かすとは、今、言うべきことを言い、為すべき事を為すということなのではないかと思います。半月前から始まったイスラエルとハマスの戦争によって、既に死者は5000人を超えました。病院まで破壊され、批難が高まっていますが、国連安保理では一時停戦が採決されませんでした。一刻も早く命を破壊する戦争が止み、この地上に平和が実現されるために私たちの賜物を活かすこと。そのために私たちは今日も祈り求め、それぞれの場にあって、今なすべきことをなしながら用いられて参ります。