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11月12日 メッセージより

2023/11/12(日)

2023年11月12日礼拝メッセージ「神の選びの基準」より

牛田匡牧師

聖書 詩編 105編 7-15節

 先月7日に、イスラエルとパレスチナのガザ地区にいる過激派組織ハマスとの戦争が始まり、一ヶ月以上が経過しました。犠牲は増え続け、もはや1万人以上の人が亡くなったと報じられています。国連では「ガザは子どもたちの墓場になっている」「もはや『人道危機』を超えて『人類の危機』だ」とまで述べられています。第二次世界大戦後に現代イスラエル国が建国されてから、何度も中東戦争が繰り返されて来ています。多くの人々の血が流されて続けている惨劇の中で、命の源である神様の計画は、一体どこにあるのでしょうか。聖書に記されている古代イスラエル民族のアイデンティティの一つは、モーセに率いられてエジプトから脱出したというものですが、他の一つは神がアブラハムら古代イスラエル民族の父祖たちに「私はあなたにカナンの地を与え、あなたの相続地とする」(11)という約束をしたというものでした。その聖書の言葉に基づいて現代でも原理主義者たちがいるわけです。しかし、古代イスラエル民族が移住する前から、その地には多くの他民族が暮らしていたことがヘブライ語聖書の中に記されています。

 それにも拘らず、「自分たちは神様から特別に選ばれ、守られて来た」という自己意識を持ったのは、「その数は少なく、数えるに足らず、その地に寄留していた」(12)に他なりませんでした。聖書に記されている神の選びの基準は、民の数や強さではなく、逆に弱く少ないことだとされています(申命記7:7)。古代イスラエルの民が、数えるに足らない弱小部族で、いつ滅んでもおかしくなかったにも拘らず、今も生かされているのは何故か。そこには神様からの特別の守りがあり、選びがあったからだ、という理解が、そのような自己意識を生んだのでしょう。

 ヘブライ語聖書の中心は、貧しくされ、小さくされている者たちの痛みに対する神の共感であり、イエス・キリストはご自身のその身をもって「痛みに共感する神」「小さくされた者の側に立つ神」を表された方でした。戦禍が続く中、イエス様はどこにおられるのでしょうか。イエス様は爆撃によって町も家も破壊され、水も食糧も医薬品も事欠く中で、避難し、救援を待っている人たちと共に、「神も仏もあるものか」と嘆いておられる、その方々の中に共におられるのではないかと思います。この時代を生かされている私たちもまた、そんなイエス様に従う者として、イエス様が隣におられる方々と共にある者とされるように導かれていきます。

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