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6月30日 メッセージより

2024/07/06(土)

2024年6月30日 メッセージ「信じて帰る」より

水谷憲牧師

聖書 ヨハネによる福音書 4章 46-54節

 イエスのもとに、一人の男がイエスを訪ねて来た。彼は王の役人だった。息子が病気で死にかかっているので、「一緒に来て、息子を癒やして欲しい」と頼みに来たのだ。王の役人ほどの人物であれば、イエスを呼びつけることもできたであろうに。しかし、彼は必死だった。私たちは彼の姿から3つ学ばされる。ひとつは、キリストの救いは、社会的な利益や評価、そしてプライド、そんなものをすべてかなぐり捨てたところではじめて与えられるものだということ。2つ目は、この男がイエスに子どもの救いを願った時の姿。イエスはこの役人に「あなた方は、しるしや不思議な業を見なければ、決して信じない」と言われた。彼の願いをはなから拒絶する厳しい言葉として、彼には聞こえただろう。確かに図星だったのかも知れない。なぜなら、イエスの様々な不思議なしるしや業を見聞きした者から伝え聞いていなかったなら、彼もイエスに頼ろうとは考えなかったかもしれない。イエスはそこを問われた。目に見えるものしか信じない姿は信仰とは言わないのだと。しかし彼は諦めなかった。キリスト教が伝えようとする大きなメッセージの一つは「どんな逆境にあっても決して諦めない」ことなのだ。

 しかし、イエスはさらにこう言われた。「帰りなさい。あなたの息子は生きる」。私だったら、その言葉だけでは帰れないかもしれない。息子が死にそうで、一刻を争うほどに切迫した状況なのに。しかしカファルナウムの役人である彼は、そのイエスの言葉を信じて帰って行ったという。私たちがこの男に学ぶべき3つ目は、彼の「イエスの言葉を信じて帰って行った」という姿。「あなたの息子は生きる」との言葉をもらったとしても、その言葉にはこの世的には何の保証もなく、それだけで来た道を帰ることは、彼にとってどれほど辛く不安なことだったろう。しかし信仰とはそのようなものなのかもしれない。イエスの言葉を、その言葉に込められた力のみを信じて生きてゆく、それはこの世的には非常に不安定な心持かもしれぬが、そこにこそ神の御力はきっと働かれるのだろう。私たちも、キリストの言葉の力を信じて、勇気を出して帰っていくことのできる者となっていきたい。

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