お知らせ内容
9月1日 メッセージより
2024年9月1日 メッセージ「真理はあなたを自由にする」より
牛田匡牧師
聖書 ヨハネによる福音書 8章 31-36節
イエス様の周りに集まっていた「ご自分を信じたユダヤ人たち」とは、「信じた」と記されながらも、実際にはイエス様のことを信頼もしていなければ、行動も伴っておらず、あわよくば揚げ足を取ったり、告発をしたりしようと目論んでいたような人たちでした。彼らに対してイエス様は「私の言葉にとどまるならば、あなたがたは本当に私の弟子である。あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にする」(31-32)と言われました。つまり、裏を返せば、「『私の言葉』にとどまっていないあなた方は、今のままでは『本当の私の弟子』ではないよ」ということです。それは言い換えれば「私と同じ道を歩むなら、それは真理の道、真実の道であって、あなた方はそれによって自由になるのだよ」ということでした。
しかし、彼らは屁理屈で返えました。「私たちはアブラハムの子孫です。今まで誰かの奴隷になったことはありません」(33)。この言葉は非常に差別的な発言です。なぜなら、アブラハムは古代イスラエル民族の父祖であり、本来であれば「あなたも私もみんなアブラハムの子孫」であるはずなのに、「私たちはアブラハムの子孫です」「でも、あの人たちは異邦人の血が混じっているから、私たちと一緒ではない」というように線引きをしていたということに他なりません。また「奴隷」という言葉も、そうです。そもそも古代イスラエル民族は、エジプトでの奴隷状態から解放されたというのが、その民族意識でした。にもかかわらず「奴隷になったことはありません」と人を見下し、自信満々に語るような人たちに対して、イエス様はたしなめるようにして「罪を犯す者は誰でも罪の奴隷である」(34)と言われました。つまり、「あなたたちはちっとも自由じゃないね。何て不自由なんだろうね」と言われたのだろうと思います。
本当の自由とは「〇〇しなければ、△△になってしまう」というような恐怖や不安を伴うものではないはずです。「真理はあなたを自由にする」の「真理」とは、単純に「事実」のことであり、誰にでも分かり実行できることです。一人一人が孤立し、つながりが分断された状態で、不安に襲われると人は弱く、ちょっとしたことでもパニックになりますし、飛び交うデマや噂から容易に差別やヘイト発言が生じていきます。そのような流言飛語に惑わされる事なく、私たちはただ事実、真実にのみ従い、そして不安からも解放され、自分自身を束縛するあらゆるものからも自由になって、イエス様の歩んだ道を共に歩む者へと変えられていきます。