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10月20日 収穫感謝礼拝メッセージより

2024/10/21(月)

2024年10月20日 収穫感謝礼拝メッセージ「命によりそう」より

牛田匡牧師

聖書 エレミヤ書 29章 1, 414

 今回のお話は、紀元前6世紀頃に、南ユダ王国が大国バビロニアに侵攻され、何千人もの人たちが、捕虜として連れて行かれた状況の中で、預言者エレミヤが遠く異国の地バビロンに連行された同胞たちに対して書き送った手紙でした。先の見通せない絶望しかないような状況の中では、自暴自棄になったり、「もう生きている意味がない」「早く楽になりたい」と言って、自ら命を絶ったりすることは、昔も今も、どこでも十分にあり得ることでした。しかし、エレミヤは絶望してしまうのではなく、あくまでも将来の回復を信じ、堅実な生活をするようにと、同胞たちを励ましました。もしも苦難が短期間なのであれば、いつでも祖国に帰ることができるように、大掛かりに家を建てたり、田畑を耕したり、果樹を植えて果樹園を作ったりするのは、無駄なことです。しかし、エレミヤは苦難は長く、70年に亘る、と預言しました。70年というと、2世代、3世代でしょうか。捕囚民として当初、連れて来られた第1世代の人たちは祖国に戻ることは出来ないかもしれない。けれども、その後の子孫たちは、必ず帰ることが出来る。「あなたがたのために立てた計画は、あなたがたに将来と希望を与える平和の計画であって、災いの計画ではない」(11)。このエレミヤの手紙、預言の言葉によって、捕囚の民たちはどれだけ慰められ、励まされたでしょうか。

 先が見通せず、絶望しかないように思えない時、それでも自暴自棄になってしまうのではなく、命を投げ出し、棄権してしまうのではなく、今置かれている場所で、今置かれている場所に平和を求めて、平和を創り出していくこと。田畑を作って日毎の糧を生産していくこと、家族や仲間たちと共に生活を造り上げていくこと。それらは即ち諦めてしまうのではなく、飽くまでも目の前にある一つ一つの命に、大切に寄り添っていくことに他ならないのだと思います。

 今日は収穫感謝礼拝です。私たちは食べること無しには生きていくことは出来ません。そして、大地や海から生み出される食べ物は、元を辿れば自分たちが造り出したものではなく、人間の力を越えた「自然の恵み」に他なりません。豊かな秋の実りという、命の源である神様の恵みを実感する季節にあって、神様が備えて下さっている平和の計画に信頼して、私たちはここから、自分の命も、他人の命も、一つ一つの命に寄り添い、命を大切にする歩みへと導かれて行きます。

 

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