お知らせ内容
10月27日 メッセージより
2024年10月27日 メッセージ「髪の毛の数まで知る」より
水谷憲牧師
聖書 マタイによる福音書 10章 28-31節
マタイ福音書10章はイエスが弟子たちの中から12人を使徒として任命し、宣教に派遣するに当たって様々な注意を与えているところだが、同時に、迫害の手からは賢く逃れなければならないが、迫害のために福音宣教を躊躇するな、人々を恐れるなと励ましている。
イエスは「2羽の雀が1アサリオンで売られている」と言った(ルカ福音書では「5羽の雀が2アサリオン」)。当時の1日の賃金が6000円なら、1アサリオンは375円。1羽の雀は190円にも満たないし、5羽目の雀はおまけのようなもの、ただ同然。それでも、神の許しがなければ決して命を取られることはない、ましてやあなた方はたくさんの雀よりもはるかにまさっており、あなた方の髪の毛までも一本残らず数えられているのだ、だから勇気を出せ、体は殺しても魂を殺すことのできない者どもを恐れるな、福音をのべ伝えよ。イエスはそう言って懸命に励ましを与えている。
私たちは、自分が誰かのことをいかによく知っており、あるいはその誰かのことをいかに愛しているつもりでも、その人の髪の毛の数までは知らない。確かにそんな事までは知らなくてもよいのだが、世の中には多くの人々があまり関心を示さない事柄にも異常なまでに興味を示し熱中する人がいる。あるものを好きな人にとっては、いかに些細なことであろうと、あらゆることを知っておきたいと思うものなのだろう。同じように神も、世間的には誰も関心を払わないような、こんなしょーもない私のことをも大事に思い、髪の毛の数を知るほどに興味を持ち、愛してくださっている。そして私たちは、そんな神の許しがなければ決して命を奪われることはないのだ、そうイエス様はおっしゃっておられる。
今でも世界各地で紛争・迫害・犯罪による犠牲者は後を絶たない。髪の毛の本数さえも知るほどに神が愛しておられた彼らの犠牲は、まさに独り子でありながらこの世の救いのため・人間の罪からの救いのために十字架にかかったキリストの犠牲と同じものだった。残る私たちは、そのキリストと同じ犠牲を無駄にすることなく、これからも恐れずに平和な神の国たる世界を作り出す者となりたい。「こんな私に何ができるのか」とも思うが、こんな私たちでも、神様は髪の毛の数を知るほどに愛して下さっているはずだから、自分に自信をもっていきたい。